個人事業と株式会社にかかるコストまとめ -ひとり会社設立編番外編-

個人事業と株式会社の“設立時にかかる費用”の比較

いち:「番外編では、個人事業と株式会社の設立・運営コストを整理してみましょう。
以前お話しした税金に関しては今回は省略します。

まずは、個人事業や株式会社の設立には、どのくらいのお金が必要なのかを比較してみます。」

個人事業
開業届 \0

株式会社
定款認証手数料 3万円~5万円
印紙税 4万円
登録免許税 最低15万円
印紙代・手数料などを含めて 合計 約24万円~25万円ほど

個人事業と株式会社の“固定費”にはどんなものがあるの?

かなえ:「事業を始めた後にも、いろいろな費用がかかってくるんですよね。

いち:「そうですね。株式会社を運営していくと、税理士顧問料や社会保険料など、毎月発生する“固定費”がいくつかでてきます。
税理士への依頼は義務ではありませんが、法人税の申告は個人事業よりも手続きが複雑で、専門的な知識が求められます。
そのため、ほとんどの会社が税理士に顧問を依頼しているのが実情なんです。
ですから、税理士顧問料は株式会社を維持していく上での固定費のひとつとして考えておいた方がよいと思います。

それでは、会社設立後にかかる主な固定費を整理してみましょう。」

事業の固定費個人事業株式会社
税理士顧問料必要に応じて月2~3万円ほど
社会保険料国民年金+国民健康保険厚生年金+健康保険の会社負担分
法人住民税適用無し資本金1,000万円以下で従業員50人以下の法人は、均等割年間7万円が最低課税額。
活動が赤字でも発生。
会計ソフトクラウド会計ソフトは、月額2000~5000円程度が多いクラウド会計ソフト+法人会計対応が必要な場合も
家賃必要に応じて必要に応じて
水道光熱費必要に応じて必要に応じて
※法人契約あり
通信費携帯電話・電話回線携帯電話・電話回線
※法人契約あり
ドメイン・サーバー費用自社サイトやメールアドレス用自社サイトやメールアドレス用
金融機関口座維持費無料が多い法人口座では手数料あり
保険(損害・賠償責任等)任意任意だが推奨。
日本政策金融公庫や商工会議所も加入を推奨。
(リスク管理費用)

株式会社と従業員の“社会保険料の負担割合”

かなえ:「株式会社は、社会保険が強制加入なんですよね。」

いち:「はい、従業員がいないひとり株式会社でも、役員報酬を受け取っている人がいれば(報酬がある人がいれば)、健康保険と厚生年金に加入しなければなりません。
また、雇用をしたら労災保険にも加入する必要があります。
社会保険の負担は大きいですが、出産手当金、老齢年金額の増加など保障が厚いというメリットもあります。

では、社会保険において、会社の負担割合はどのくらいになるのかを整理しておきましょう。」

保険の種類会社:本人負担割合備考
厚生年金保険50%:50%
健康保険50%:50%協会けんぽ等
介護保険50%:50%40歳以上が対象
労災保険100%:0%労働者のみ

その他の費用として考えられるもの

いち:「設立時や毎月の固定費以外にも、必要に応じて発生するコストがあります。
その他の費用として考えられるものには、以下のようなものがあります。」

その他の費用金額の目安備考
印鑑作成1~3万円くらい実印・角印・銀行印・代表取締役の個人印が一般的。
電子申請の場合は不要なケースも。
法人口座開設諸費用0~数千円ネット銀行は無料が多い。
通帳発行などで手数料がかかる場合も。
官報公告約6万円公告方法を官報とした場合の掲載費用。
登記簿謄本・印鑑証明書の取得費各数百円/通口座開設・契約・融資申請などで必要。法務局手数料。
名刺・会社案内・ホームページ作成費数千円~数十万円営業活動や信頼性向上のために必要な初期費用。
印紙税(契約書等)200円~6万円/件契約金額に応じて課税。
電子契約の場合は印紙不要。
専門家報酬(司法書士・行政書士など)数万円~設立後の変更登記や許認可取得などを依頼する場合。
許認可申請手数料数千円~数万円飲食店・建設業など、業種によって必要な場合あり。
定款変更・役員変更などの登記費用数万円/回変更登記時の登録免許税+専門家報酬(任意)。
会費・団体加入費年数千円~商工会・業界団体への加入費用。

まとめ

かなえ:「まとめてみると、会社の設立や運営にはお金が掛かることが良く分かりますね。
私もお金の計算をしていると、たまに気がめいってくることがあります。」

いち:「決して安い金額ではありませんし、負担に感じる気持ちはよく分かります。
でも掛けた費用の分だけ、その対価も大きいんです。
たとえば、融資や助成金の受給は、法人であることが前提のケースが多いですし、法人であることで、取引先として選ばれる可能性も高まります。
社会保険に加入できるということは、良い人材が集まりやすいともいえますし、税理士に税金の管理をしてもらうことで節税効果も見込めます。」

かなえ:「少し愚痴を言ってしまいましたけど、そうなんですよね。
それが私が個人事業ではなく、株式会社設立を選んだ理由でもあります。

設立を決めた当初は不安も多かったですが、ひとつずつ理解を進めていく中で私も少しずつ自信が持ててきました。
コストだけでなく、信用や将来性も含めて総合的に判断できたからこそ、私は今、会社をつくって良かったと実感しています!」

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