登場人物
ゆうき:ひとり起業編かなえの弟で大学生。
将来何かで起業をしたいと思っている。
いち:ふたば行政書士事務所所長の行政書士。
いちさん、僕も姉と同じように将来起業をしたいと思っているんです。
どんなことから始めたらいいんでしょう?
まだ大学生なので何の実績もないんですが…
なるほど、ゆうきさんの得意なことって何ですか?
ゆうき: 「PC関係でしょうか。
でもこれといってこだわりはないので、正直どんなビジネスでもいいんです。
大学を卒業したら人生の大半を仕事をして過ごすことになるわけですし、どうせなら気持ちよく働きたくて。
こんな漠然とした気持ちで起業したいなんて甘い考えでしょうか?」
いち:「いえいえ起業したいという気持ちが大事ですからきっかけはなんでもいいと思いますよ!
…それではどんなビジネスをするのかを考えないといけませんね。
今は興味がないことでも積極的に調べたり出かけて行ったり様々なことに興味をもって行動してみたら何か心に引っかかるものがでてくると思うんです。
今の感覚で嫌だなと思っていることにあえて飛び込んでいく事もお勧めです。」
ゆうき:「なるほど、興味を引くものがでてきてビジネスにしたくなったら何をしたらいいんでしょう?」
いち:「なぜそれに興味を持ったのか?と、なぜそれをビジネスにしていこうと思ったのか?
事業にする目的を明確にしておきましょう。
事業を始めたり継続するための大きな力になります。
次にそれがビジネスになるのかを考えましょう。
必ずやるべきなのは市場と競合状況をよく調べて理解することです。
具体的には市場のニーズはあるのか、トレンド、競合他社のビジネスモデルを分析して、自分の強みを踏まえて差別化のポイントを見つけます。」
ゆうき: 「興味があることでも収益化できないようなものならビジネスにはなりませんものね。」
いち: 「そうですね。
自分がやりたいビジネスであり、自分にそのビジネスをする能力(近い将来でも可)があり、そのビジネスには市場のニーズがある、この三つがそろっていれば成功の確率は上がります。
できればこの三つが揃ったものを事業にしたいですね。」
ゆうき:「うーん、できるだけ効率的なモデルを選びたいです。
あまりお金は用意できなさそうですし失敗もしたくありません。
何かおすすめはないでしょうか?」」
いち:「ゆうきさんはPCに興味があると言っていましたね。
PCが得意でリソースが限られている創業者はオンラインプラットフォームを利用した事業やサブスクリプションモデルが適していることがありますね。
またウェブサイトでの物品販売や物理的なサービス提供は始めやすいと思います。
こちらは何が売れていてどの世代にニーズがあるか等は比較的調べやすいでしょうし。」
ゆうき: 「いいですね、興味があります。」
いち: 「付け加えると日本の慣習や法制度も考慮しないといけません。
日本では顧客に対する信頼関係が重要視されますから、サービスの品質やアフターサポートがビジネスモデルの成功に大きく影響します。
コンプライアンスを重視して事業を行わなければならないのは昨今の社会情勢からみて言わずもがなですよね。」
ゆうき: 「ネットの口コミを見ていてもささいなことで厳しいことが書かれますよね。
サービス内容を考える際に参考になる例って何かありますか?」
いち: 「顧客のニーズに合わせカスタマイズされたクラウドソリューションを提供しているSaaS(Software as a service)企業の運営が参考になると思います。
市場調査を通じて日本企業のITニーズを理解し、定期的なサポートとトレーニングを提供することで顧客との信頼を築いています。
気になる企業のサービスを利用して分析してみてもいいかもしれません。」
ゆうき: 「SaaSというとサイボウズ株式会社なんかが有名ですね。
他も調べてみます。
まとめるとビジネスモデルを決める際に必要なことは、目的の明確化、市場の理解、自身の目標とリソースの明確化、文化や法制度の理解、といったところでしょうか。」
いち:「おっしゃる通りです。」
〖次回に続く〗