NPOってどんなもの?・NPOの話

登場人物紹介
 
かなえ
WEBデザイン事務所の経営者。
両親がふたば行政書士事務所に相続の相談をしたことがきっかけでいちと知り合い会社設立を相談。
起業の夢をかなえました。

いち
ふたば行政書士事務所所長の行政書士。

※文中の赤字は用語です

NPOってなに?

かなえ

先日異業種交流会でNPOを設立した方とお話をしたんです。
何だかNPOに興味がでてきました。

いち

会社を設立するよりもNPOを設立したほうがいいのでは?と思う方も結構いらっしゃいます。
今回はNPOについてお話ししましょう。

かなえ:「お話ししたのは立派な方でしたが、NPOってちょっとあやしいイメージがありますね。
不祥事のニュースを見かけることが多い影響でしょうか。」

いち:「会社でも不祥事のニュースはありますし、NPOだけ特別に多いわけではないと思いますよ。
人ってよく分からないものに不信感をいだくので目に付きやすいのかもしれませんね。」

かなえ:「確かにそういう面はありそうですね。
でもボランティアでどうして生活が成り立っているのか分からないところもNPOが怪しく感じる理由の一つだと思います。
だってNPOは非営利団体なんでしょう?」

いち:「かなえさんのようにNPOはボランティア団体と考えている人は多そうですね。
確かにそういう面もありますが、NPOは会社を同じようにきちんとした収入源を持って運営されているんですよ。」

NPOはどうやって資金を得ているの?

いち:「NPOとはNon-for-Profit Organizationの略称で、営利のためではない団体という訳になります。
これはNPOがお金を稼いではいけないという意味ではなく、利益のために活動してはいけないという意味なんです。」

かなえ:「なるほど。
会社のように利益を目的にするのはダメだけど、利益を生み出すこと自体は問題がないってことでしょうか。」

いち:「その通りです。
利益とは当然事業収入になります。

また会社と異なるのは、寄付、助成金、補助金、と他に資金を得る手段があるところです。」

かなえ:「助成金や補助金は経産省や厚労省に申請することが会社でもありますよね。」

いち:「NPOの助成制度は自治体単位、民間団体と申請先が多彩です。
様々な団体に応援されていて社会に支えられているってイメージでしょうか。」

NPOと株式会社の大きな違い

いち:「NPO設立と会社設立の違いをお話しします。」

創設の目的剰余金還元先配当金
NPO社会貢献活動   OKただし必要以上に出すことはNG社会  なし  非課税
株式会社   利益を出す  当然OK株主  あり法人税ほか 

かなえ:「NPOは営利目的ではなく社会貢献のために設立されるということなんですね。
会社と行政の中間のようなイメージが頭に浮かびます。」

いち:「その通りです。
実はNPOが設立されることになったきっかけは阪神淡路大震災なんです。
震災当時は行政だけでは手が足りず行き届かないところが多々ありました。
その反省や経験から行政だけでは手が回らないところを民間で補完しようと考えられ、成立したのがNPO設立の根拠法となる特定非営利活動促進法(NPO法)です。
まさに会社と行政の中間のようなイメージで作られているんですね。」

まとめ

かなえ:「ルールが整えられるきっかけに災害や犯罪があるというのはよくあることですね。
NPOへのイメージが大きく変わりました。」

いち:「犠牲があって生まれた制度やルールを意図を違わずに活用して、よりよい社会にしていくことが我々がやるべきことなのだと思います。

確かに制度を悪用する人もいるんですが、それは会社などでも同じかなと思います。
多くの人が実態をよく知らないから悪用されやすいという面もあると思いますので、制度を知り、何をしているNPOなのかきちんと見極めて判断することが大切ですね。」